紙とベテランに頼っていたメロン直売業務をDX化

農業法人ミフシファーム様の事例紹介

中小企業のDX支援事例

「DXに取り組みたいが、うちのような小さな会社に何ができるのか分からない」

「システムは入れたものの、結局ほとんど使えていない」

「業務がベテラン社員に頼りきりで、辞められたらどうなるか不安だ」

こうした声は、地方の中小企業や農業法人からよく伺います。DXという言葉は広まりましたが、大企業の事例ばかりが目立ち、自社に置き換えて考えにくいのが実情ではないでしょうか。

本記事では、23Styleが支援した農業法人のDX事例をご紹介します。特別なシステムを新規導入したわけではありません。すでにお持ちだったソフトを活用し、業務を担える人を増やしました。

成功事例だけでなく、検討したものの想定通りにいかなかった事例も含めて記載しました。これから取り組む方にとっては、むしろ後者のほうが参考になるかもしれません。

支援概要

支援先株式会社ミフシファーム様(福島県会津若松市)
業種農業法人(水稲、メロン、花卉)
ホームページhttps://mifushi.com
支援期間2026年1月~7月(約半年)
支援内容業務フローの可視化、販売管理システムの定着支援、送り状発行の移行、動画マニュアル制作、操作研修
支援方法月2回の訪問+遠隔操作、LINE・お電話でのサポート
使用システム販売王(ソリマチ株式会社)、ヤマトB2クラウド

目次

  1. 背景 ── 紙中心の業務と、一人に集中した知識
  2. 実施内容
  3. 効果
  4. 振り返り ── 想定通りにいかなかったこと
  5. まとめ

なお、本記事に登場する「販売王」は、ソリマチ株式会社が提供する販売管理ソフトです。見積、受注、売上、入金、顧客管理といった販売にまつわる業務を一元管理できる、中小企業向けの製品です。以降は製品名の「販売王」で表記します。

1. 背景 ── 紙中心の業務と、一人に集中した知識

株式会社ミフシファーム様は、福島県会津若松市で水稲、メロン、花卉を生産されている農業法人です。なかでもメロンは、お中元シーズンに全国のお客様へ直接発送する直売が主力となっています。

ご相談をいただいた時点で、同社の直売業務には3つの課題がありました。

1-1. 業務が紙中心だった

【課題】 注文票も顧客情報も、すべて紙中心で管理されていました。

誰がいつ何を注文したのかを確認するには、紙の束を一枚ずつ当たるか、担当者本人に聞くしかありません。シーズン中に問い合わせが入るたび、この確認作業が発生していました。

1-2. 業務知識が特定の社員1名に集中していた

【課題】 直売業務の中核を、長年勤めるベテラン社員1名が一人で担っていました。

顧客の顔ぶれも、注文の傾向も、発送の段取りも、すべてその方の頭の中にあります。別の方への業務移管が一筋縄ではいかない状況でした。今後も元気に活躍してほしいという期待はあるのですが、高齢であるため次世代への業務バトンタッチも急務でした。

1-3. 販売王は導入済みだったが、使いこなせていなかった

【課題】 同社は販売王を長年導入されていました。

システムがなかったわけではないのです。しかし操作を体系的に覚える機会がないまま年月が経ち、本来の機能をほとんど使えていない状態が続いていました。実態としては、宅急便の送り状を出すためのソフトのような位置づけになっていました。販売管理システムとして持っている機能の、ごく一部しか使われていない状態です。

「せっかく入れたのに使いこなせていない」というのも、今回のご依頼のきっかけの一つでもありました。

1-4. ご相談に至った経緯

きっかけは、2025年に23Styleが手がけた同社のホームページ制作でした。そこでお付き合いが生まれたことから、その延長でご相談をいただいた形です。

タイミングとしても理由がありました。世代交代を見据え、今のうちに業務を引き継げる形にしておきたい。そうした事情があったのです。属人化の解消は、この時期に取り組む必然性のあるテーマでした。