バイバイ Copilotキー

新しいWindows 11搭載PCを買うと、右Altキーのあたりに見慣れない「Copilotキー」が付いています。押すとMicrosoft Copilotが立ち上がるわけですが、「普段使っているのはGeminiなんだよな……」という方も多いのではないでしょうか。私の場合、メインはClaudeでPC起動時と同時に立ち上げます。サブでGemini (有料版)を使っていて、ちょっとした調べものなんかで起動します。

今回、CopilotキーをGemini起動キーに作り替えました。Microsoft公式ユーティリティ「PowerToys」を使えば簡単に実現できます。所要時間は10分ほどです。パラメーターの設定がキモです。


Windowsの標準設定では変更できない

Windows 11には「設定 → 個人用設定 → テキスト入力」からCopilotキーの割り当てを変更する機能があります。ただしここで選べるのはMicrosoft Storeで配布される署名済みアプリ(MSIXパッケージ)か検索機能のみ。ブラウザで使うGeminiのようなWebサービスは選択肢に出てきません。Claudeも出てきません。Chat GPT Classicぐらい。

PowerToysの Keyboard Manager を使って書き換えましょう。こちらなら「任意のexeを任意の引数付きで起動する」という設定ができるため、Webアプリだろうと何だろうと自由に割り当てられます。PowerToysはMicrosoft 純正ツールなので、安心してインストールしてください。

Copilotキーの正体

前提としてひとつ知っておくと理解が早いのですが、Copilotキーは独立したキーコードを持っていません。押すと内部的には次のショートカットが送信されています。

Win (Left) + Shift (Left) + F23

つまり単独キーではなくショートカットキーなので、Keyboard Managerでも「キーの再マップ」ではなく「ショートカットの再マップ」側で設定する必要があります。


事前準備

  • Microsoft PowerToys(v0.79以降)
  • Google Chrome

STEP 1|PowerToysをインストールする

Microsoft Storeで「PowerToys」を検索してインストールするか、ターミナルから次のコマンドでも入ります。

winget install Microsoft.PowerToys

インストール後、PowerToysを起動して常駐させておきます。左サイドバーの「入出力」カテゴリに Keyboard Manager があるので、有効になっていることを確認しておきましょう。


STEP 2|GeminiをPWA(アプリ)としてインストールする

ブラウザのタブとして開くのではなく、独立したウィンドウで起動できるようにアプリ化します。

  1. Chromeで https://gemini.google.com/app を開く
  2. 複数アカウントを使い分けている場合は、使いたいプロファイルで開いているかをここで確認しておく
  3. 右上の「︙」メニュー →「キャスト、保存、共有」→「ページをアプリとしてインストール」をクリック

インストールが完了すると、スタートメニューに「Google Gemini」というアプリが追加されます。


STEP 3|Geminiアプリの「リンク先」を調べる

Keyboard Managerに設定するための情報を、ショートカットのプロパティから取り出します。

  1. スタートメニューで「Google Gemini」を右クリック →「ファイルの場所を開く
  2. エクスプローラーで「Chrome アプリ」フォルダが開く
  3. 「Google Gemini」を右クリック →「プロパティ
  4. 「ショートカット」タブの「リンク先(T)」の内容をすべてコピーする

リンク先の欄は幅が狭く全体が見えませんが、クリックして Ctrl + ACtrl + C で全文をコピーできます。メモ帳などに貼り付けておくと次の作業が楽です。

筆者の環境では、次のような文字列が入っていました。※ idは伏せてます

"C:\Program Files\Google\Chrome\Application\chrome_proxy.exe"  --profile-directory="Profile 3" --app-id=****************

STEP 4|リンク先を「パス」と「引数」に切り分ける

ここがこの記事のキモです。Keyboard Managerは実行ファイルのパス引数を別々の欄に入力する仕様なので、コピーした文字列を2つに割ります。

境目は「最初の .exe の直後」です。

入力欄入れる内容
プログラム パスC:\Program Files\Google\Chrome\Application\chrome_proxy.exe
引数 (省略可能)--profile-directory="Profile 3" --app-id=******************

切り分けるときの注意点は3つです。

  • プログラムパスの前後にあるダブルクォート(")は削除する。 パス欄は文字列をそのまま解釈するため、引用符が残っていると「ファイルが見つかりません」になります。
  • 引数側のダブルクォートは残す。 --profile-directory="Profile 3" のクォートはスペースを含む値を囲うために必要です。
  • --profile-directory の番号と --app-id の値は環境ごとに違います。 記事の値をそのままコピーせず、ご自身のプロパティから取得した文字列を使ってください。

なお、.exe の後ろには半角スペースが2つ入っていることがありますが、そのまま引数欄に貼っても問題ありません(気になる方は先頭の余分なスペースを削っておいてください)。


STEP 5|Keyboard Managerで再マップを作成する

いよいよ割り当てです。

  1. PowerToysの Keyboard Manager を開き、「ショートカットの再マップ」→「新しい再マップの追加」をクリック
  1. 左側「トリガー」で「キーまたはショートカット」を選び、入力欄をクリックしてから実際にCopilotキーを押す
  2. Win (Left) Shift (Left) F23 の3つが並べば正しく認識されています
  1. 右側「アクション」のドロップダウンから「アプリを開く」を選択
  2. 「プログラム パス」と「引数 (省略可能)」に、STEP 4で切り分けた文字列をそれぞれ貼り付ける
  3. 「既に実行中の場合」を「ウィンドウの表示」にしておく(二重起動を防ぎ、既に開いていれば前面に出てきます)
  4. 「保存」をクリック

これで完了です。Copilotキーを押してGeminiのウィンドウが立ち上がれば成功です。



応用:GeminiでなくてもOK

この手順はGeminiに限った話ではありません。STEP 2でPWA化する対象を変えれば、同じ流れで好きなサービスをCopilotキーに割り当てられます。

  • ChatGPT(chatgpt.com)
  • Claude(claude.ai)
  • Notion、Slack、Google カレンダーなどのWebアプリ
  • そもそもWebアプリですらない普通のexe(引数欄は空でOK)

「使わないキーが1つ増えた」と諦めていたCopilotキーが、自分専用のランチャーキーに変わります。せっかく親指の近くにある一等地のキーですから、いちばんよく使うものを割り当ててしまいましょう。