R7年産のお米について
農園の稲(コシヒカリ)も無事に出穂し、収穫が少しずつ近づいてきました。

田んぼを見回るたびに、無事の収穫を願います。
概算金の発表はまだですが、地元のJA(会津よつば)では60kg 25,000円の最低価格保証が表明されました。
これは昨年(令和6年)の16,800円と比較すると、実に48.8%の価格上昇となります。
振り返れば、最低価格を記録した令和3年はわずか9,400円でした。
今回の25,000円は、あの時と比べて165.9%の価格上昇率です。
採算が取れずに泣く泣く米作りを続けなくて良いのかと思うと、多少の安堵感があります。
令和3年は私が父から稲作を全面的に引き継いだ年。この頃は誰もが田んぼを手放したがっている時期で、「田んぼは負の遺産」とも言われていました。
近所の農家さんも受け入れる余裕がなく、本当に「泣く泣く」米作りを続けることにしたのです。
新たな不安:国産米離れへの懸念
概算金が高くなるのは、農家にとって悪い事ではありません。
しかし、小売価格も現在の価格が続くとすると、新たな心配事が浮上します。
それは国産のお米離れです。
これまで、ミニマム・アクセス米以外の輸入には1kg 341円の関税が課せられており、これは「非常に高い」とされてきました。
この高関税により、国産米は外国米から保護されてきたのです。
関税制度の機能不全への危惧
ところが、ここ一年の価格上昇により、状況が一変しています。
高関税とされてきた輸入米のほうが割安になるケースも出ています。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250315-OYT1T50048/
国内農業保護や食料安全保障のために設定していたはずの関税が、皮肉にも機能不全に陥る可能性があります。
米価の回復は喜ばしいことですが、同時に日本の農業政策にとって新たな課題を突きつけられているのかもしれません。