データで見る農業の世界〜個人用気象観測装置のススメ〜
二代目 個人用気象観測装置導入しました



みなさん、「個人用気象観測装置」って聞いたことはありますか?簡単に言うと、気象台のような本格的な気象データを、個人でも計測できる装置のことです。温度や湿度はもちろん、風向・風速、気圧、雨量、さらには紫外線量や日照量まで測定できる優れもの。多少の誤差はあるかもしれませんが、個人用途なので大きな問題はありません。
農業をやっている身としては、これがあると本当に助かるんですよ。
5年間お疲れ様でした、初代
当農園では5年前からこの気象観測装置を庭先に設置していました。毎日5分おきに、さまざまな気象データを黙々と記録し続けてくれる頼もしい相棒でした。
特に柿の栽培では、4月と11月の霜の情報がとても重要なんです。「今朝は霜が降りたのか?」「気温は何度まで下がったのか?」「霜の被害はどれくらいあるのか?」といった情報を正確に把握することで、適切な対策を立てることができます。
活躍するのは柿だけではありません。稲作では、夏場の高温による障害が問題になることがありますが、正確な温度データがあれば「高温障害が起きているかどうか」を自分で判定できます。これまでは「なんとなく暑い日が続いているな」という感覚でしたが、データがあると確信を持って対策を立てられるんです。
露地栽培の野菜については、降水量のデータが重宝します。「しばらく雨が降っていない」という曖昧な感覚ではなく、「正確に何日間雨が降っていない」「この期間の降水量は○○mm」といった具体的な数値で判断できるので、水やりのタイミングを的確に見極められます。
意外に役立つのが日の出と日の入り時間。日の入り時間がわかると農作業が何時までできるのかわかります。秋はすぐに暗くなるので、日の入り時間を意識した作業時間管理が大切なんですよね。
ついに初代が壊れてしまいました。あまりにもデータが身近になりすぎて、今では外の情報がわからないとストレスを感じるようになってしまいました。
同じモデルを購入するも物価上昇を実感
今の観測装置には特に不満もなかったので、迷わず同じモデルを購入することにしました。ところが、調べてみてびっくり!当時よりも3割ほど価格が上がっているではありませんか。ここ数年の物価上昇を、まさに肌で感じる瞬間でした。
それでも、この装置の価値を考えれば十分に投資する価値があります。農業は自然相手の仕事ですから、正確な気象データは何にも代えがたい貴重な情報源なんです。
SDカードでのデータ保存が便利
私が使っているモデルの良いところは、SDカードへのデータロギング機能があることです。なのでちょっと高価な部類に入ります。
過去のデータと比較することで、「去年の同じ時期と比べて今年はどうなのか?」といった分析ができるんです。
例えば、「昨年の柿の収穫時期の気温推移」と「今年の同時期」を比べることで、収穫のタイミングを見極めるヒントが得られます。データの蓄積は、まさに農園の財産ですね。
完璧ではないけれど、割り切りも大切
ただし、この装置にも限界はあります。特に冬場の降水量については、正直なところ諦めています。
雪が降ると正確な計測ができないんです。積雪量は測定できませんからね。
でも、考えてみれば冬場の積雪量や降水量は、我々の農業にはそれほど大きな影響を与えません。
春夏秋の生育期間中のデータが正確に取れれば十分なので、「完璧を求めすぎず、必要な部分で活用する」という割り切りも大切だと思っています。
将来の展望:専用サイト作成を検討中
今回購入したモデルは、任意のサーバーにデータをアップロードできる機能もあるようです。これを活用して、気象データの自分用のサイトを作ってみようかなと考えています。
そうすれば、わざわざSDカードからデータを取り込む作業も不要になりますし、常に最新のデータをリアルタイムで確認できるようになります。スマートフォンからも気軽にチェックできるようになれば、農作業の効率もさらに上がりそうです。
農業のデジタル化
最近では「スマート農業」という言葉もよく聞かれるようになりました。我が農園のような小規模な個人農園でも、こうした技術を活用することで、より良い農産物作りにつなげていけるのではないでしょうか。経験不足をデータで補う。これは他の産業でも行われていることですよね。
みしらず柿の品質向上はもちろん、コシヒカリや季節の野菜、そしてお客様により美味しい農産物をお届けするために、これからも気象データと向き合っていきたいと思います。
今回購入したモデルについて詳しく知りたい方は、こちらからご確認いただけます。
